夏に家族で温泉旅行に。両親も含めての大人数だったのでディナーは旅館の宴会場でコース料理。
参加者の好き嫌いなどチェックしながらどのコース料理にしようかと選んでいたところ、おしながきに「お造り」という言葉が。
そういえば今まで45年間「お造り」という言葉をスルーしていましたが、改めて考えると、なぜお刺身の盛り合わせのようなメニューを「お造り」と言うんだろう!?
という事で調べてみると、日本のとても素晴らしい文化にふれ、縁起までよくなりそうな話だったのでまとめました。
1.言霊信仰からみる食べ物の名前
言霊信仰や忌み言葉というものが影響しているそうですが、まずは手っ取り早く身近にあるもので。
1)「お刺身」と「お造り」

「お造り」の元は、「切り身」や「刺身」。「切る」「刺す」いう言葉は何となく物騒で、死を連想するような言葉は縁起が悪いと考えられたそうです。そこで、「包丁を使って造作したもの」という意味で「お造り」と言い換えたものと思われます。
言われてみるとす~っと腑に落ちますね。改めて聞くと「造作」というだけあって、手をかけて綺麗に盛り付けたという意味合いも感じられていいですね!
2)「するめ」と「あたりめ」

「するめ」という言葉は「する」という語が、賭け事でお金を無くす意味の「する(擦る)」や、財布やお金を盗む意味の「する(掏る)」を想起させるので縁起が悪いという考えから、「する」を縁起の良い「当たり」に変えて呼ぶようになったのが「あたりめ」です。
何かこれを知っているだけえ、一見ネガティブなものでもポジティブに変えてやろうとする心意気を感じて、とても元気をいただけるような感じ。
3)「ふぐ」や「梨」も

高級魚の代表とされる「フグ」ですが、時に「ふく」と言い換える場合も。才能があるのに運に見はされている状況の「不遇」を連想してしまうと考えられ、濁音とって「ふぐ」を「ふく(福)」に言い換えてしまう事もあるそうです。

また、果物の「梨」は「無し」、だから縁起のいい「有り」に変えて「ありの実」。果物の中で梨が一番好きな私としては、今後は「ありの実」に言い換える考え中です。
2.忌み言葉・言霊信仰
少し掘り下げて言霊信仰や忌み言葉を見てみました。
1)言霊信仰
日本には古来より「言葉には言霊(ことだま)が宿っている」と考えられ、「言霊を信仰する風習とともに、言葉に宿る不思議な力によって、実際に言葉通りの事が起こると信じられていました。そのため不吉な事を連想させるような言葉には特に敏感。
逆に不吉な言葉を言い換えて、縁起の良いものに変えてしま。
2)忌み言葉
縁起が悪いので、忌みはばかって使うのを差し控える言葉を一般的に「忌み言葉」と言うそうです。要するにNGワードみたいな事ですね。
今でも冠婚葬祭などでは特に注意が必要とされ、おめでたい結婚式で「終わる」「消える」「切る」などの不吉を連想させる言葉を使わないとか、葬儀の場では「再三」「次々」「益々」など「重ね言葉」を使うと不幸が繰り返されることが連想されるので避けたりするそうです。
3.まとめ
冠婚葬祭など特別な場所では心遣いや気配りとい意味でとても言葉を丁寧に扱う日本の文化が好きです。
食べ物に関して「ふぐ」や「梨」の言い回しのように、そこまでしなくても…という感じは個人的に受けましたが、「こんな言い換えも出来る」という遊び心で楽しむのもいいですね。
「あたりめ」みたいに、知って入ればポジティブシンキングが自然と身に付きそうな言葉もありますし。
という事で今回は「お造り」の言葉の意味を調べてみました。