40代前後の同年代の友達や年の近い同僚との会話の中で
コロナ禍がキッカケで最近「一人呑み」にはまっているという話をすると、「興味はあるけど…、一人で店入って何するの?」という疑問をもたれることがあります。
そんな疑問にお答えできるよう、今回は一人呑みを楽しむためのコツを紹介します。
一人呑みにハマって、何度もお店に通っていくうちに色々な過ごし方を楽しむようになりました。
スターバックスは自宅でも職場でもなく、第3のリラックスできる場所という意味で「サードプレイス」という概念を提唱していますが
私にとっては一人呑みを楽しめるようになってから、そのサードプレイスを手に入れたような感覚です。
この記事を読めば、「これなら一人呑みの時間を気楽に楽しめそうだ!」と一歩踏み出すキッカケになってもらえるといいな~と思ってます。
【序盤】まだ理性が自分を支配している状態
① 季節を感じられるおすすめメニューを楽しむ
あまり魚介類に詳しくないので、積極的に旬な食材に挑戦します。読み方わからないお魚も、一人なのでスマホで調べたり、隣の常連さんが頼んでいるのを真似してみたり。
② 大相撲のテレビ中継を食い入るように見る
最近ハマっている一人呑みの時間の過ごし方は大相撲のテレビ中継を食い入るように見ることです。相撲と言えば幼い頃に祖母が千代の富士を応援していたような記憶が薄っすらあるぐらい。
相撲の事はあまり詳しくないし、名前を言える力士のそれほど多くありませんが
お相撲さんの取組を見ながら、うなずいたり、独り言がでちゃったり、勝負が決まった時にリアクションをとってみたり、カウンターに座る何人かのお客さん達と反応が被る瞬間に生まれる店全体の連帯感が楽しめます。
1試合が短いのも魅力的。
勝敗が決まった後の解説でスロー映像が流れますが、ぶつかり合う瞬間の筋肉の動きや表情の歪み、飛び散る汗の様子、頭突きで吹き飛ぶシーン。土俵際の攻防。
勝敗が一瞬で決まる潔さというかシンプルさがとても良い。
その他にも土俵際で観戦している人達を見るのも楽しみの一つ。
ビシッとスーツを着て背筋ピーンと座り微動だにしない初老の紳士や、着物を綺麗に着こなしたクラブのママさん風の女性、そんな方々が取組を食い入るように見ている姿。
なかなかチケットも取れないであろう向正面の”タマリ席”に座っている人たちは、この勝負に自分の何を投影しているんだろう…見たいな事を想像してみたり。
大相撲を見ているうちに3役や関取の名前を憶えてきたり、一人飲みする時ぐらいしか相撲を見ていないので先週から成績がどう伸びたかなんてのも追ってみるとたのしい。
③ 手帳とにらめっこ
一人呑みを始めたばかりの頃は、まだその場を楽しむという感覚より、カフェで仕事をする感覚に近い心持でした。必ず手帳を持参して、マンスリーカレンダーのページとにらめっこ。
思い当たる予定を全て書き込んで、余白には今週や今月の目標、直近の仕事の振り返りなんかもメモしたり。少し酔いが回ってきたころには、そのとき頭に思い浮かんだ言葉をひたすら書き出すという事もしていました。
最初は「空元気」を出して前向きな事を書こうとする自分がいて、それでも夜に、一人で、お酒を飲んで考え事をしていると、基本的には過去を振り返り後ろ向きな事に考えが向かいがちになります。
どちらの自分にも肩入れすることなく、前向きな自分と後ろ向きな自分を何度か行き来しながら、考えるのに飽きてきたら手帳を閉じます。10分で飽きる時もあれば1時間ずっと考え事をしている時もあります。
結論を求められる仕事とは違い、一人呑みの「手帳とにらめっこ」は何の結論も出さなくてよい安心感がデトックス効果を生んでくれるような気分になります。
とりあえずある事ない事ですべてカレンダーを埋め尽くしてみる。
④ 読んだ本のメモを振り返る
週1回は本屋さんに行って、1週間に1冊のペースで本を読んで、読みながら気になるところは、そのページをスマホにスキャンして、スキャンした内容についてコメントを入力するというルーティーン。
たまに手持無沙汰になったときはこのメモを振り返るという事もします。
【中盤】少し考え込む事に飽きてきたタイミングで
⑤ メニューとにらめっこ
どうせ暇なので、ただただメニューとにらめっこです。
会食では「とりあえずみんなが好きそうなもの」をいくつか見繕って注文しますが、一人飲みの場合は純粋に自分が食べたいものだけを頼めます。
時間もたっぷりあるから、メニューとずっとにらめっこして自分が食べたいものを探したり、食べたことないものを探したりする。
季節料理をちゃんと扱うお店であれば、「本日のおすすめ」からその時々の旬の食材が勉強になるし、たまに読めない漢字を一人だからこっそり勉強できたりします。
一人なので悩めるだけ悩んでも誰に迷惑かけることもありません。
⑥ 保有株の業績レポートなんかを眺める
勉強のためにへそくりの範囲内で株をやっています。
普段は特にこまめなチェックをしているわけではなく、保有銘柄の決算発表がある場合はあらかじめスケジュールにアラーム設定をしているので、決算発表と一人飲みのタイミングが合う時は決算短信を眺めてます。
私は海外のインデックスファンドを中心に積立投資するパッシブ運用が基本で、その他に国内の好きな業界や企業の株を3~5銘柄保有して、決算発表のタイミングに子供の成績表を見るような気持ちでドキドキしながら成長を見守っています。
⑦ 短歌を作る
一人呑みをしている時は基本的に上機嫌なので、鼻歌でも歌いたい気分ですが、さすがにそれはお店に迷惑がかかるので、そんな気分を歌にします。
この年まで詩を書いたこともないし、俳句や川柳に気を留めたこともありませんでしたが、朝のラジオで短歌の特集をやっていて、それを聞いてから「自分でも作ってみたい」と思ったのが気かけでした。
通勤電車では本を読んでいるし、家では子供達がいるので騒がしく、たまにランニングやウォーキングの時はメモ用紙がないので浮かんですぐ消えてしまいます。
考えてみれば、ぼけ~っとした気分で、自分のためだけに頭を動かせる時間、そしてメモをとれる環境が整っている場所。それこそ一人呑み。
そんなことで短歌づくりを趣味に加えようと思っています。
【終盤】酔いが回り良い気分になってからは
⑧ 隣のお客さんの会話をBGMにして
がっつり見るわけではないけど、横目で見たり、耳で聞いたりして、常連さんの所作からお店の楽しみ方や店員さんとの距離の取り方なども勉強させてもらっています。
⑨ 演歌を聞きながら
お店によってBGMで演歌が流れているところがあります。これも一人呑みを楽しむ上でのありがたいイベント。
私は上記で説明した通り、一人呑みとは言え、前半戦はぼ~っとするとうよりは考え事をしたり手帳にメモをとったりと、頭が”理性”に支配されているような時間が続きます。
しかし1時間ぐらい経つと酔いも回ってきて、頭もぽわ~んとなってきて、ようやく”理性”もおとなしくなるころ。BGMで演歌が流れていると、ついついその歌詞を追ってしまいます。
演歌には日本人独特の感覚や情念が表現されていて、歌詞を追って、そこで語られる物語を聞いていると映画を見ているような気分にもなります。
まとめ
いままであまり意識をしていませでしたが、ブログに書き事で一人呑みをしている過去の自分の振り返る事ができました。
放送時間の縛りがある大相撲を除けば、【序盤】と【中盤】は程度の差はあるにしても、まだ”理性”のコントロール下で考えたり選んだりというアウトプットの時間。でもお酒の力を借りながら、一週間たまった頭の中をゴチャゴチャをアウトプットで”デトックス”しているような気分になる。
【序盤】と【中盤】のデトックスで頭の中に余白ができるような気がして、【終盤】はお気に入りのお店で一人呑みしながら見えるものや聴こえるものに身を任せ心地よく感情を震わせる時間にする。
私にとってお気に入りのお店は「サードプレイス」であり、一人飲みして「デトックス」でもあるんだな~と思いました。