●一人呑みで学んだ雑学

一杯の奥深さ!酒器で楽しみ倍増!「おちょこ」vs「ぐい呑み」で変わる日本酒の世界

●一人呑みで学んだ雑学

お酒を飲むための器に興味を持つことで、一人呑みの楽しみ方に広がりが出てきます。

僕は初めて行く店では必ず日本酒をぬる燗または熱燗で1合注文しますが、この店ではどんなおちょこを出してくれるんだろうと楽しみです。

おちょこにも陶器磁器漆器ガラス錫(すず)など様々な素材で作られたものもあり、サイズも色々。

またおちょこ以外にも日本酒を飲むための酒器と言えば幅広いシーンで使われる「」、おちょことよく似た「ぐい呑み」、冷酒を楽しむ時によく合わせる「グラス」、儀式的なシーンでよく使われる「」などがあります。

今回はお酒を堪能するための酒器で代表的な「おちょこ」と、そのおちょこによく似た「ぐい呑み」の違いについて解説していきます。

「おちょこ」と「ぐい呑み」の違いは?

「おちょこ」とは?

明確な定義があるわけではないそうですが…

日本酒を飲むときに使う器で、特に「一口で飲み干せるお酒が入る小さな器」を「おちょこ」と言うそうです。

名前の由来は、ちょっとしたものを意味する「ちょく」や飾り気がないことを表現する「直(ちょく)」が転じたなどの諸説があるそうです。

ちなみに漢字で「お猪口」と書きますが、この「猪口」という表記は当て字だそうです。

「ぐい呑み」とは?

おちょこと同じように明確にはわかっていないようですが、名前の由来は「ぐいっと呑む」や「ぐいっとつかんで呑む」などからきているとされています。

「ぐいっと呑む」などの由来からお酒をぐいぐい楽しめる大きさで作られており、一般的には「1口2口では飲みきれない量のお酒が入る大きさ」が多いようです。

「おちょこ」と「ぐい呑み」の違いは?

結論から言えば、この二つにハッキリとした違いはないが1~2口で飲みきれるかどうかという大きさの違いだそうです。

「ぐいっ」と飲むために作られた「ぐい呑み」の方が「おちょこ」よりも一回り程度大きいサイズである事が一般的です。

大きさの違いがあることで、「おちょこ」は徳利や銚子などから注がれるのに対して、「ぐい呑み」は酒瓶から直で注がれることが多いというスタイルいも違いが表れるそうです。

「おちょこ」と「ぐい呑み」を使い分ける

一口で飲み干せる大きさの「おちょこ」には、熱燗で熱々のお酒を楽しみたい場合や、冷たいまま飲みたい冷酒、その他に香りを楽しみたい吟醸酒などがおすすめ。

「ぐい呑み」の場合は、細かいことはさておいて、その名の通り「ぐいぐい」飲みたい気分の時におすすめですし、その他にはお酒は温度の変化で味わいが大きく変わるので、1~2口では呑みきれないサイズという特徴を活かして、温度が下がっていく過程を楽しみたい方は「おちょこ」より断然お酒を楽しめます。

温度とサイズと楽しみ方の色々
熱燗〇おちょこ
●ぐい呑み
〇熱々のお酒を一口ずつ楽しみたい
●温度の下がっていく過程の味の変化を楽しみたい
ぬる燗〇おちょこ〇ちょうど良い温さを一口ずつ楽しみたい
常温●ぐい呑み●何度も注ぐ手間が省けるし、ぐいぐい飲める
冷酒〇おちょこ〇ぬるくなると台無し、冷たいままスッと飲みたい

お店によって酒器も色々

酒器に興味を持ったキッカケ

初めておちょこで味わいが変わる事を体験したのは一人呑みを始めたばかりの夏のある日です。

まずは刺身と冷酒を注文。1合の冷酒と青いガラスの綺麗なおちょこ。

1時間ほど飲んでいたらクーラーの当たりがつよかったこともあり体が冷えてきたので次にぬる燗を注文。1合徳利と磁器の白いつるつるした手触りのおちょこ。

あまり気にしていませんでした…。ワインを白から赤に変えたときや、ウイスキーでもロック・ストレート・ソーダ割など飲み方を変える時は、違う形状のグラスで提供されます。

当然日本酒だって冷酒と熱燗でおちょこの形状が変わることがおかしいことではないのに、なんとなく日本酒は同じおちょこでずっと飲み続ける勝手なイメージを持ってました。だからおちょこが新しく出されたときに良い意味で違和感を感じたのがキカッケです。

また洋酒は飲み方やボトルを変えるとグラスの形状が変わりますが酒器の素材はガラスが一般的です。

しかし日本酒の場合はおちょこの形状だけではなく、あの時のようにガラスと磁器といった素材まで変わったことに楽しさを覚えました。

それ以来、自宅でも色々な形状や素材のおちょこを買って日本酒を楽しむようにもなりました。

お店によって酒器の提供のパターン

さんざん今までおちょこやぐい呑みの違いや、酒器とお酒の合わせ方など説明しましたが、現実問題としてお店から提供される酒器で基本的には楽しむしかありません。

私が経験したパターンは以下の通り

  • 前述のとおり冷酒と熱燗で素材もサイズも酒器を変えてくれるパターンのお店
  • 冷酒も熱燗も同のガラスや磁器のおちょこで提供されるパターンのお店
  • お酒は1合でも2合でも同じ磁器の大き目おちょこで提供されるパターンのお店
  • 熱燗やぬる燗は徳利で提供されるので磁器製のおちょこで、冷酒はガラス製のコップまたは升で提供されるパターンのお店

などなど、お店によって提供スタイルも千差万別です。

そこがまた一人呑みで新しい店を新規開拓した時にお楽しみポイントでもあります。

こだわりの強い一人飲み上級者の荒業!?

基本的にはお店の提供スタイルに従い、その中で楽しむのがマナーなんだろうと思います。

しかし一人呑みをしていると色々な「一人呑み上級者」と遭遇する事があります。

あるお店で遭遇した「一人吞み上級者」の方は「MYぐい呑み」と「MYおちょこ」を持ち込んで、お酒によって使い分けてらっしゃいました。その方は店員さんの接し方からして古くからの常連さんだという事もわかりましたし、お店に了解を得ている様子もしっかり伝わりました。

お店にも迷惑をかけず、お店の雰囲気が損なわれることもなく、自然体で「一人呑み」を楽しんでらっしゃるその方をみて立ち居振る舞いについて勉強させてもらえました。

いつか自分もチャレンジしてみようかな…!?

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